ドラマ感想と妖刀『北谷菜切』

先日、琉球放送(RBC)でやっていたドラマ『FE(ファーイースト)序章』を観ました。

琉球史ミステリーということで歴史好きには見逃せない…というだけでなく、少しホラーテイストも含んでいます。というのも監督・脚本が『オキナワノコワイハナシ』の方々だそうで。怖い話ではないのですが、演出などもかなり似ています。

代行運転手でセジ(霊力)使いの伊集龍矢と、超常現象マニアなのに非科学的な事を信じない宮城砂伊里の二人が主人公。どちらも性格に難あり自己主張が強い…というか登場人物、キャラの濃い人ばっかりです。個人的に、運転代行の社長とアニーが好き。社長のゆるさに癒されます。
ストーリーに関しては、歴史書に伝わる怪奇現象の解釈が面白かったです。UFOっぽいものはギャグだろうか…。「序章」なのでいずれ本編も放送されるのではないかと思われますが、多くの謎が残されたままでちょっともやもやします。続きはいつでしょうか。

FE

沖縄県外では放送されていませんので、紹介動画(公式)だけ張っておきます。

『FEファーイースト序章 CM(60秒)』


『1分でわかるFEファーイースト序章<前編>』

http://www.youtube.com/watch?v=q4TKv8fXS6w


ところで今回ドラマで重要なキーワードになっていたのは『北谷菜切(チャタンナーチラー)』という沖縄の刀。といっても普通の刀ではなくいわく付きの妖刀なのです。

『北谷菜切』は琉球国王尚家に伝わる名刀です。
『千代金丸』『治金丸』と並び、国宝に指定されています。刀といっても刃の長さが23cmしかない短刀です。もともと短い刀が磨り減って細くなり、今では大分小さくなっているようです。

北谷菜切にはこのような伝説があります。
この刀は本来ただの包丁で、北谷の農家の家にあった日用品でした。聞き分けの無い子供を大人しくさせようと、母親が包丁を振るまねで脅かしたところ、刃先が触れてもいないのに子供の首が切り落とされてしまいました。母親は子殺しの罪で役人に捕らえられましたが、「振りかざしただけで子供の首が斬れたのです」と強く訴えます。そこで役人が試しにヤギに向かって包丁を振ったところ、ヤギの首も切り落とされました。母親は釈放、この包丁は刀に打ち直され名刀『北谷菜切』として王家に納められたそうです。

振りかざすだけで簡単に対象物を斬ってしまう妖刀。背負っていた赤ん坊の首を切ったという伝承もあります。とんでもない切れ味の刀であるため、沖縄北部にある今帰仁城の城壁はこの刀で石を切って作ったという伝説もあります。
また、何故か『治金丸』という刀にも同じく包丁による子殺しの伝説が伝わっています。しかし治金丸は包丁から作ったにしては大きすぎるような…。刀身って接いだりできるんでしょうか。

○○○

ドラマの放送にあわせ、北谷菜切を所蔵している那覇市歴史博物館(パレットくもじ内)でも期間限定公開されています(4月19日から5月8日まで)。北谷菜切が公開されているとあってはもう見に行くしかありません。ドラマの恩恵万歳!

ガラス越しに見る北谷菜切…結構小さかったです。短刀としても小さい。螺鈿細工のキラキラ光る鞘が綺麗です。側には北谷菜切について書かれた民話集も一緒に置かれていました。これは欲しい…。歴史書『球陽』も置かれていましたが、漢文なので読めません。ぐぬぬ。


(参考:月刊沖縄社『沖縄の伝説と民話』、伊波南哲編『沖縄の民話』)
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[ 2013/05/03 16:00 ] 雑記 | TB(0) | CM(0)

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