怪談専門誌『幽』のvol.18購入しました。もちろん沖縄怪談大全目当てで。
第一特集だけあって、沖縄怪談についての豊富な情報に満足です。
表紙の写真も『七つ墓』といわれる沖縄の怪談スポットが使われています(昔、飴買い幽霊が現れたという)。こうやって写真でみると、ガジュマルの根付いた墓というのは相当不気味だなあ…。ちなみに私がこの雑誌を買ったジュンク堂那覇店は七つ墓のすぐ隣だったりします。さすがに立ち寄ったりはしませんが。
主な内容として沖縄怪談スポット巡りや、以前行われた小原猛×恒川光太郎×東雅夫による座談会の内容、その他沖縄怪談にまつわる様々なエッセイなどが中心となっています。中でも福地曠昭氏のインタビューが興味深いです。怪談収集の方法とか、確かに凄いヴァイタリティの人だ…。
怪談実話競作も面白いです。伊計翼『なす代ちゃん』にはつい笑ってしまったけど…!方言の感覚って県外の人にとってはどういう風に感じるのでしょうか。黒史郎『ザー』は怖かった。宮古島に伝わる呪術の話。
個人的に、沖縄怪談ブックガイドと古典怪談の復刻がとても良かったです。
伊波南哲の沖縄怪談集(逆立ち幽霊+ビッチン山の異変)と金城朝永『マストの上の怨霊』が復刻。『逆立ち幽霊』は夫への復讐のため幽霊が出会った人に魔除けの札を取り除いてもらうという、よくある札剥がしの話です。沖縄でも逆立ち幽霊は有名ですが、嫉妬深い夫のために鼻をそぎ落とした妻の復讐譚の方がメジャーかと。
(ところで感謝した幽霊が提灯に化けて夜道を照らす、というのはよくある話なんでしょうか。『琉球の死後の世界』で「沖縄首里の昔話」から引用された、仲西ヘーイとモーイ親方の話でもそういうシーンがありましたが)
沖縄怪談に興味のある方にはお薦めの一冊です。
とりあえず、怪談スポット巡りが…したくなるかも?。私は怖がりなので、絶対安全そうな所しか行きませんが。
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