小さな嫁

小さな嫁
『事々録』巻の二より。(奇談異聞辞典『異人異術』)

尾州犬山の酒屋に、深夜異相の者が現れて酒を乞う。その量はとても常人とは思えないほど多かったが、只者ではないと知りながらも酒屋は快く与えた。するとその者は酒の礼に、何でも望みを申せと言う。酒屋は「特に望みはないが、最近妻を亡くして落ち込んでいる」と答えると相手は了解して帰って行った。
その後しばらくして、深夜またあの異相の者が現れた。「約束したあなたの妻だ」と言い、懐から小さな人を取り出して置いて行った。この小さな人は見る間に大きくなり、とうとう普通の女性になった。なにやらひどく疲れているようなので寝かせてやり、翌朝詳しく訊ねると、彼女は江戸新川の酒屋の娘であるという。そこで江戸の方に確認をしたところ、月の初めに行方不明になった娘だと分かった。はたして天狗の仕業であろうか、連れて行って与えたのは神の縁結びに違いないとして、二人はめでたく夫婦になった。



「唐突なあり得ない出会い→即結婚」は、ラブコメの定番ですが。

関連記事

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://snarkmori.blog.fc2.com/tb.php/25-ccefd164