赤い靴(アンデルセン童話)

アンデルセン作の童話『赤い靴』より
少女カーレンと、剣を持つ天使の邂逅シーンです。

赤い靴

(2回クリックで拡大します)

「おまえは、踊りつづけるのだ!」と、その天使がいいました。

「おまえの赤い靴をはいて、踊るのだ。
おまえが、青ざめて、つめたくなってしまうまで!
おまえの肌が、まるで骸骨のようにちぢんでしまうまでも!
おまえは、この家の戸口からつぎの戸口へと、踊っていくのだ。
そして、うぬぼれやで、みえっぱりな子供の住んでいる家に行ったら、そこの戸をたたくのだ。
そうして、その子たちが、おまえの来たのを聞きつけて、おまえをこわがるようにするのだ!
おまえは、踊るのだ!踊るのだ!」

「許してください!」
と、カーレンは叫びました。


《引用:『赤い靴』 アンデルセン著、大塚勇三編・訳》
    (アンデルセンの童話3「雪の女王」所収)



ハンス・クリスチャン・アンデルセン作の童話
『赤い靴( De røde Sko)』です。


↓以下、話のあらすじ。(参考:大塚勇三訳『赤い靴』)

貧しい孤児の少女カーレンは、とある老婦人に引き取られて育ちました。
大きくなって、美しい赤色の靴を手に入れた彼女は、
タブーであるその靴を履いたまま教会に入り、洗礼を受けます。
彼女は赤い靴に心を奪われ、老婦人に注意されてもやめません。
それを履いたまま 再び教会に入ろうとすると
入り口にいた赤いひげの老兵に
「ごらんよ、なんて美しいダンス靴だろう!
あんたが踊るとき、しっかりくっついているといい!」と言われました。
カーレンは教会の中で赤い靴のことばかり考えました。
外に出るとまたしても老兵に声をかけられ、彼女は突然踊りたくなります。
踊りだした足は止まらなくなりましたが、
周囲の人が押さえつけて靴を脱がしてくれたために落ち着きました。

それからしばらくして、老婦人が病気になりました。
老婦人はもう助からないだろうと思いながら、
カーレンは赤い靴を履いて舞踏会に出かけます。
しかし赤い靴を履いた足は言うことをきかず勝手に動きだし、
彼女はそのまま暗い森の中へ入ってしまいます。
そこにはあの老兵がいて
「ごらんよ、なんて美しいダンス靴だろう!」と言います。
昼も夜も踊りつづけ、辿り着いた教会には剣を持った天使がいました。
「お前はもう、みえっぱりの子供たちを怖がらせるために踊り続けるのだ」
と天使は厳しい顔で突き放します。
カーレンは踊り続けました。自分の家の前を通りかかり、
老婦人が亡くなったことも知りました。
ぼろぼろになったカーレンは首切り役人の家にたどり着き
足ごと赤い靴を切り落してくれるよう頼みました。
切り落された赤い靴は足だけになって踊りながら去りました。
義足と杖を手に入れたカーレンは
自分はもう十分に苦しんだと思い教会に向かいましたが
入り口ではいつもあの赤い靴が踊っているのでした。
それを何度も繰り返し、カーレンはやっと自分の罪を後悔しました。

カーレンは牧師の家に頼み込んで女中にしてもらいまいた。
罪を改めてつつましく生きるカーレンのもとに、再びあの天使が現れます。
天使がバラの咲いた枝で壁や天井を触りますと
いつの間にか彼女は教会の中におり、賛美歌を聴いているのでした。
そうして彼女の魂は神様のところに飛んでいき、
そこでは誰も赤い靴の事をたずねたりしませんでした。

おしまい。




子供の頃に絵本で読み、怖い話だとは思っていましたが
大人になって原作そのままの日本語訳を読んだら
思った以上のホラー小説で驚きました…!
何度も出てくる不気味な老兵や、厳しい天使。
教会に入ろうとするたび、切り落された赤い靴が現れるのも恐ろしいです。

そもそも首切り役人以外でサブキャラの存在を知らなかったのですが
絵本だから端折ってあったのでしょうか。忘れてるだけ?


個人的に、カーレンを激しく厳しい言葉で断罪した天使が
再び登場し罪を許すときになると
ひとことも喋らず表情の説明もなく、淡々と作業するところが何だか好きです。

○○○


ちなみにこの話は青空文庫でも読むことが出来るので、興味のある方はどうぞ。
(※先ほど引用・参考にした文とは翻訳が異なります)

青空文庫:『赤いくつ』 アンデルセン著、楠山正雄訳

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