裏表のある男がいて(マザーグース)

久々のマザーグース紹介です。

※残酷・流血表現があるため画像を小さく表示しています。
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裏表のある男

There was a man of double deed  裏表のある男がいて
Sowed his garden full of seed.  庭にいっぱい 種まいた
When the seed began to grow,  種が育ちはじめると
'Twas like a garden full of snow;  庭は一面 雪のよう
When the snow began to melt,  雪がやがて溶けだすと
'Twas like a ship without a belt;  装甲帯のない 船のよう
When the ship began to sail,   船が進みはじめると
'Twas like a bird without a tail;  まるで 尾のない鳥のよう
When the bird began to fly,    鳥が羽ばたきはじめると
'Twas like an eagle in the sky;  まるで 空飛ぶ鷲のよう
When the sky began to roar,  空が 雷鳴とどろくと
'Twas like a lion at the door;  ドアの前にいる 獅子のよう
When the door began to crack,  ドアがひび割れはじめると
'Twas like a stick across my back;  私の背を打つ棒のよう
When my back began to smart,  背中がずきずき痛みだすと
'Twas like a penknife in my heart;  心臓 突き刺すペンナイフのよう
When my heart began to bleed,  心臓から血が流れだすと
'Twas death and death and death indeed.  それはまさしく 死だ 死だ 死なのだ



《語句》
※'Twas=It wasの短縮形
※double deed=裏切り、裏表のある行為
※a ship without a belt=装甲帯のない軍艦
 ('belt'=armour belt 敵弾を防ぐため船体に張る鋼鉄板)
※smart=うずく、ずきずき痛む
※at the door=戸口で、戸口に
※bleed=bloodの動詞形、出血する



゛a man of double deed゛は
「うさんくさい男」や「あやしい男」などとも訳されます。
また類似の詩で、最も古いとされるバージョンだと
゛a man of words and not of deeds゛
「(言うだけで行動しない)口先だけの男」とされています。

これはもともと、
「A man of words and not of deeds  言うだけでやらない男は
Is like a garden full of weeds.  雑草の茂った庭のよう」

という対句がことわざとして知られており、
それを基にしてマザーグースの歌が作られたのだと思われます。


○○○


例えた言葉がどんどん転がっていき
残酷な結末を迎えるという不気味な歌です。
その不気味さからか、子供達にも人気があり
鞠つき歌として広まりました。

この暴力的でナンセンスな文章と
言葉のリズムの良さ。
たしかに鞠つき歌にはもってこい…というか
子供の好きそうな歌ですね!

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[ 2016/11/12 02:21 ] マザーグース | TB(0) | CM(0)

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