『日本怪異妖怪大事典』レビューのようなもの

7月に刊行された、小松和彦監修『日本怪異妖怪大事典』。
その価格、18,900円。


……高いよぉぉぉお!!!

と涙目でレビューを探したりして、値段が値段だけにあんまり見つからないわけで。いいなー欲しいなー、この値段は手が出ないよなー、でもいずれ買っちゃいそうだなー、何せ妖怪大事典ですよ大事典。そりゃあいつかは買うだろうなー。だったら今買ったほうがいいんじゃないかなー、でもでも二万はやっぱり高いよなー。
日本怪異妖怪大事典
(シャーペンは大きさ比較対象)



…と悩みに悩みぬいた末、遅ればせながら購入に至りました。


二万円弱は正直痛かったです…うん、懐が大ダメージ。アマゾンで調べていたら、おすすめ商品に『明治期怪異妖怪記事資料集成』を見つけまして。それが47,250円だったのを見て、何だか金銭感覚おかしくなりました。最後の一押し!

という訳でちょっとした感想なんぞを。
この本は『怪異・妖怪伝承データベース』を元に製作されており、現象・関連用語など様々な種類の項目に分類されています。『海坊主』『九尾の狐』といった妖怪名、『生き返り』『空中出現』『憑依現象』といった怪異現象、その他怪異に関するキーワードとして『蛇』『鮭』『百物語』『生首』なども項目の一つとなっています。
それらの中でもとりわけ目立つのが都市伝説や学校の怪談でして。『てけてけ』『赤マント』『口裂け女』などの古参だけでなく、『かしまれいこ』『バーサレ』さらには『くねくね』のような新しめのものまで。学校の怪談関連として『ピエロ』まであるという…いや、うん。ピエロ怖いよね。あと『キョンシー』は日本の妖怪じゃないだろ、と思ったらこれも学校の怪談関係でした。映画のせいらしい。キョンシーを学校の怪談に取り込んでしまう子供の想像力って逞しいなあ。

こういう本が出ると、やはり村上健司の『妖怪事典』と比較してしまいますが。『日本怪異妖怪大事典』には『妖怪事典』に載っていない妖怪が盛りだくさんです。しかしそもそもの収集基準が異なるので、反対に『妖怪事典』には載っているけど『日本怪異妖怪大事典』には載っていない妖怪も多いです。『日本怪異妖怪大事典』は基本的に民間伝承のみの収集であり、民俗事例であれば現代の怪談であっても収録しています。一方で、伝承されていた訳ではない創作妖怪は有名なものでも省かれているそうです。つまりは…両方持ってるといいですね!(笑顔)

データベースが元になっているだけあって、索引には力が入っていました。関連用語別の索引に加え、別称や類似現象からも探すことが出来ます。個人的に嬉しいのが、地域別の怪異・妖怪一覧も付いていること。例えば千葉幹夫の『全国妖怪事典』も地域別なのがとても便利だったので、これは有難いです。
インターネット上のデータも便利ですが、本ならぱらぱら捲って楽しめるところはやはり良いですね。何か調べたい妖怪がいるときは別として、新しく妖怪の話が知りたいときには書籍が便利かと思います。読み物としても面白いですし。ちなみに画像も所々差し込まれておりますが、白黒小さめなので資料というよりは参考程度ではないでしょうか。


怪異妖怪2
妖怪事典より分厚い。(一番上は『画図百鬼夜行全画集』。標準的な文庫本サイズ)

怪異3
画像も入ってます。



気になった話について少しだけ。


『饅頭食わせ』
子供に毒饅頭を食わせ歩く者が横行しているという怪異な噂。
それって本当に犯罪者では…?と思ったけど、実際の被害者がはっきりせず、犯人が人なのか怪異なのかも分からず、ひたすら噂だけが飛び交って人々を混乱させたらしいです。赤マントあたりにかなり近いですね。

『ヨダソウ』
ヨダソウの話を聞いた人の元へやってくる。防ぐにはこの名前を早口で逆さに唱えなければならない。
逆さに唱えれば正体がわかってしまう学校の怪談。私も子供のころに「アギョウサン、サギョウゴいかに」というバージョンで聞いてビビリました。この謎が解けないと殺されるよ!って脅されたりして…。ひどいもんです。
謎が解けないビビリのあなた。あいうえお表とにらめっこするか、ググって下さい。

『ピト・トリ・火(ピ)』
沖縄の青い火の玉で大凶とされる。
ぴと・とり・ぴ、ってなんか可愛い、発音が。ぴととりぴ。



知らなかった話が沢山あって楽しいです。この夏は事典を読んで過ごします。
そういえば『豆腐小僧』載ってたけど、これも民間伝承あるんだろうか…?
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[ 2013/08/09 00:52 ] 雑記 | TB(0) | CM(0)

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