お知らせとコメント返信

先日紹介した『幻想百物語埼玉-妖怪編-』ですが、該当ページがなくなっていたようなので差し替えました。どうやら妖怪編に引き続き「歴史編」と「開運編」が作成されたようです。もうちょっと早ければ同時に郵送してもらったのに…!!タイミング悪いよ!

ちなみに3月21日から広聴広報課で無料配布されています。
気になる方はどうぞ → http://www.pref.saitama.lg.jp/site/saitamakennomiryoku/gensou.html



続きから23日の拍手コメント返信です↓
[ 2013/03/25 12:20 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

ジュリグヮーマジムン

ゆい、ゆい、ゆい、ゆい、ゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆいゆい。

ジュリグヮーマジムン

『ジュリグヮーマジムン(尾類小マジムン)』 

ジュリ(尾類)とは沖縄の方言で遊女を意味する。つまりジュリグヮーマジムンは遊女の妖怪である。(※ジュリガーマジムン、ジュリグワーマジムンとも表記される)
ジュリの墓からは、三線の音色やうめき声のような歌が聞こえることがあるといわれている。またジュリグヮーマジムンに出会って魂を抜かれたという話もある。沖縄県の中頭郡添浦村字屋富祖に伝わるジュリグヮーマジムンの話では、深夜にアガリヌカー(東方にある共有井戸)の方から香ばしい匂いがした。村の強い若者達が忍びよって覗うと、一人の美しいジュリが井戸で髪を洗っていたという。



沖縄妖怪の中でも美しさトップクラス!なジュリグヮーマジムンさんです。妖怪なのか幽霊なのかは判断しかねますが、折角なので妖怪らしい、怪しくも楽しげなイメージで描いてみました。ゆいゆい!

しかし実際のところ、遊郭で働いていたジュリの大半は、生活の為に身売りされた不幸な存在だったといいます。
月刊沖縄社『沖縄の怪談』にある「辻・御嶽之坂の簪(かんざし)幽霊」という話にも、不幸なジュリの幽霊譚が紹介されています。見舞ってくれる客も無く病死したそのジュリは、適当に埋葬され遺体の髪に簪も刺してもらえませんでした。そのため幽霊となったジュリは、なんと鼻に簪が突き刺さっているという恨みがましい姿をしているのです。

那覇の辻町にあった遊郭では、昔「ジュリ馬行列」という催しが行われていました。旧暦の一月二十日、一年に一度の晴れ舞台としてジュリ達は美しく着飾り、馬に見立てた飾り物を身につけて行進します。現在も一般女性によって再現されており、「ゆいゆいゆい」という掛け声とユーモラスな馬の飾りを映像で観たとき「ジュリグヮーマジムンのデザインはぜひこれで!」と思いました。
ちなみにデザインに取り入れてあるハイビスカスのモチーフですが、ハイビスカスこと「ブッソウゲ」は沖縄ではアカバナー(赤花)、もしくはグソーバナ(後生花)といいます。グソーとはあの世のことであり、グソーバナとは「あの世の花」という意味があります。ギラギラとした南国的な香りのするハイビスカスですが、実は意外と不吉な意味合いを持っていたりするわけですね。美しいものほどなんとやら。

『幻想百物語埼玉』入手しました

埼玉県が発行している『幻想百物語埼玉-妖怪編-』、最近ようやく手に入れました。
まだ配布しててよかった…。

幻想百物語埼玉

2012年3月に発行された、埼玉県の妖怪を紹介するガイドブックです。埼玉県の広聴広報課で無料配布されています。返信用封筒(140円切手を貼付)を郵送すれば県外の方でも入手可能です。
詳しくはこちらから → https://www.pref.saitama.lg.jp/a0301/saitamakennomiryoku/gensou.html(埼玉県HP)

(※追記 該当ページがなくなっていたようなので差し替えました。どうやら妖怪編に引き続き「歴史編」と「開運編」が作成されたようです。)
(※さらに追記 再度ページを差し替えました 2015/1/19)



無料配布用のガイドブックなので情報量としてはそこまで多くありませんが、分かりやすく読みやすく、コラム等も面白いです。やたら河童に詳しい埼玉県。この冊子に従って、妖怪巡りの旅に出たい…。

掲載されている妖怪の中でも興味深いと思ったのは、「本書で一番危険な妖怪」という『チトリ』です。日高市女影北、平沢地区にて確認されたという妖怪。「刃物を持って麦畑に隠れ、人を襲って血を採ってしまうという非常に残虐な妖怪である」「なお、東京都日ノ出市には明治時代にチトリが出現し、犠牲者が出たと言われている」とのこと。
最近赤マントの記事を書いたばかりなので、そこはかとなくデジャブを感じたり。こういうあからさまに危険な妖怪も良いですねぇ楽しいなあ。こんなのが近所に出るなんて噂を聞いたらもう…一人では外出しませんね。


その他にもー。

オクポ:日高市に伝わる妖怪。大木に生息し、夕暮れ時になると奇妙な声を上げる。

オクポ
オクポが向山で鳴くと翌日は晴れ、日高の古刹・高麗山聖天院の山で鳴くと人が死ぬ前触れだとされた。どのような姿をして、どのような声で鳴くのかは不明。

琉球怪談本、いろいろ

琉球怪談本


『琉球怪談』シリーズ・小原猛さんの新作『琉球怪談百絵巻~不思議な子どもたち』を購入しました。

琉球怪談三作目となるこの本では、全ての話に挿絵が付いています。児童向けに新聞連載されていた話をまとめた本…らしいのですが、今までどおり面白くもゾッとするような怪談が満載です。前作までの『琉球怪談』で紹介されていた話もいくつか混ざっていますが、新たに挿絵つきということでまた新鮮な感じがします。怖かったり可愛かったり面白かったり、本当に同一作者なのかと疑いたくなるような様々なタッチのイラストがとても楽しいです。
惜しむらくは、ページを開けた瞬間イラストがネタバレになってしまう事…!特にオチで驚かせるタイプの話だと、効果半減という感じがするかもしれません。とても魅力的な絵だけに少々残念。しかし短編でそれに対処するのは難しいでしょうか。


個人的に好きな話は、「シャワーの背後に」「不思議な子どもたち」「家の外を走り回るもの」「隣の日本兵たち」「兵隊さんから物をもらってはいけないよ」「ヒーダマ」「sssカーブのでかい顔の男」です。
日本兵の話はどれも面白かった…。冷蔵庫で震えてる小さな日本兵、かわいい!これは可愛い!!スイジガイ(水字貝)に吸い込まれるのはホラーなのか。布団に挟まってる日本兵はちょっと怖いです。
SSSに出たという頭のでっかい男の話はまさしくホラー。SSSは沖縄の有名ホラースポットですが、私は絶対近寄らないのでデカ頭の男には会わずにすみそうです。


その他、キジムナーを呼び出す話。火の玉をフルスイングする話。謎の兵隊さんから小石を貰う話。

火事の前触れとなる子供たちの話。
不気味な子供の発したという「はぶりか」の意味を知りたい。



知ってはいけない気も、する。







さらにもう一冊、昨年十二月ごろに出版された恒川光太郎作『私はフーイー』も読了。

沖縄を舞台にした創作怪談短編集です。沖縄の話は実話怪談ばかりを読んで、創作にはあまり手を出さずにいたのですがとても楽しめました。収められているのは、「弥勒節」「クームン」「ニョラ穴」「夜のパーラー」「幻灯電車」「月夜の夢の、帰り道」「私はフーイー」の七編です。全ての話が沖縄を舞台としており、ホラーともファンタジーとも取れるような幻想的な文章が魅力的です。どんなえげつない話も淡々とした語り口で進められ、それがまた物悲しいというか…、独特の雰囲気を生み出しています。


お気に入りは「弥勒節」、「夜のパーラー」、「月夜の夢の、帰り道」。

「弥勒節」:島のタブーである怪異『ヨマブリ』と、不思議な胡弓を手に入れてしまった青年の話。とにかく主人公の胡弓を弾く描写が凄まじい。狂ったように流れる音楽が、読んでいる人の耳にも聞こえそうな、そんな勢いのある文章でした。なんとなく『セロ弾きのゴーシュ』を思い出します。
「夜のパーラー」:謎のオバアと娼婦が営む、夜間営業のパーラーの話。娼婦チカコが何故か憎めない。悪意がないというか、あっけらかんとして可愛らしく、恐ろしいです。最後の気だるい会話はまさに圧巻。いやー本当に逃げられないんだなぁ、という薄ら寒くもゆる~い気分になりました。でもオバアは普通に怖い。何者ですか。
「月夜の夢の、帰り道」:何をやっても上手くいかない青年の話。読み進めるほどにメンタルが削られていくというか、何もかも諦めたいような気分になってくる。「だって、怖くないですか。まるでそこら中に落とし穴がある」というセリフが印象的でした…。助けてタイラさん。

それ以外の話も面白かったです。沖縄でお化け電車を出すという発想がすごい。軽便鉄道かぁ。怪物ニョラ様は明らかに異色作でしたね…クトゥルフ的な…。精神侵食おっかないです。フーイーは壮大ファンタジーのヒロイン。




≪おまけ≫
こわがり百物語
マジです。

(青行燈:百物語の最後にでるらしい妖怪 → 青行燈の記事